英ポンド/円相場は、1月14日の144.81円をピークに、足元では140円台前半まで軟化する展開になっている。ポンドサイドには特に目立った材料は見当たらないが、1月21~22日の日本銀行・金融政策決定会合で当面の円売り材料は出尽くしたとの見方から、主要通貨に対して円が買い戻される展開になっている。それはポンド/円相場も例外ではなく、ポンド高・円安傾向が一服している。
イングランド銀行(英中央銀行)が1月9~10日に開催した金融政策委員会(MPC)の議事録が公開されたが、資産買い取りプログラムの規模据え置きは8対1で決定されたことが確認された。マイルズ委員は改めて資産購入枠の拡大を主張したが、特に賛同者は増えていない。一方、委員からはポンド相場の水準が、経済バランスを整える上で障害になり得るとの懸念が示されている。「ポンドの実質為替レートは、経済を再び均衡させるために必要な水準を超えている可能性がある」と指摘されている。ただ、特にこれを受けてポンド売りを仕掛けるような動きは見られなかった。
一方、円サイドでは1月21~22日の日本銀行・金融政策決定会合を終えて、円売り圧力が一服している。2%の物価安定目標が導入されたが、無制限緩和の開始は2014年とされたこともあり、その実効性が疑問視されている。ただ、日英の金融政策環境の格差が縮小していることに変化はなく、ポンド高・円安トレンドには変化はないだろう。一時的な調整局面との理解で十分だろう。
今後1週間の予想レンジは、139.50~142.50円。